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公開日: 2026年5月31日

日本の大学で英語学位プログラム(旧G30・SGU)とは?

「海外の大学も魅力的だけど、日本の大学にも興味がある」「英語だけで日本のトップ大学の学位が取れるって本当?」

海外の高校やインターナショナルスクールで学ぶあなた、あるいは日本の高校にいながらグローバルな進路を模索するあなたなら、一度はこんな風に考えたことがあるかもしれません。

実は今、日本の大学が提供する英語学位プログラムが、世界中の優秀な学生たちから熱い視線を集めています。これは、講義から卒業まで全て英語で行われる正規の課程で、欧米の大学に代わる、あるいはそれ以上に魅力的な選択肢として注目されているのです。かつて「G30 大学」と呼ばれたこの取り組みは、現在「スーパーグローバル大学(SGU)」としてさらに発展しています。

しかし、いざ情報を集めようとすると、「どんな大学があるの?」「入試はどうなっているの?」「学費はどれくらい?」など、次々と疑問が湧いてくるのではないでしょうか。

ご安心ください。この記事を読めば、日本の英語学位プログラムの基本から、具体的な大学リスト、シビアな入試要件、費用、そして出願までのロードマップまで、あなたの知りたい情報がすべて手に入ります。読み終わる頃には、自信を持って次の一歩を踏み出せるようになっているはずです。

そもそも英語学位プログラム(旧G30・SGU)とは?

まず、基本となる言葉の定義から確認しておきましょう。これを理解するだけで、情報収集の精度が格段に上がります。

英語学位プログラムとは、その名の通り、講義、ディスカッション、課題、試験、そして卒業論文に至るまで、大学の4年間(または大学院)のすべてが英語で行われる正規の課程を指します。最大の特長は、日本語能力がなくても入学し、学位を取得して卒業できる点にあります。

この流れは、2009年に始まった「G30(グローバル30)」という国のプロジェクトがきっかけでした。日本の大学の国際競争力を高め、世界中から優秀な留学生を受け入れるために、東京大学や京都大学などトップレベルの13大学が選ばれ、英語だけで卒業できるコースの整備を始めたのです。

そして現在、この取り組みは「SGU(スーパーグローバル大学創成支援事業)」へと引き継がれ、さらに多くの大学が参加しています。SGUには、世界大学ランキングトップ100を目指す「トップ型」と、日本のグローバル化を力強く牽引する「グローバル化牽引型」の2種類があり、国全体で大学の国際化を推進しています。

このプログラムの目的は、単に留学生を増やすことだけではありません。多様なバックグラウンドを持つ学生が共に学ぶ環境を作ることで、日本人学生にとっても国際的な視野を養う絶好の機会を提供することにあるのです。

なぜ選ぶ?海外大学と比較した英語学位プログラムの4つのメリット

欧米の有名大学への進学も素晴らしい選択ですが、日本の英語学位プログラムには、それとは異なるユニークなメリットがあります。ここでは、特に重要な4つのポイントをご紹介します。

1. 欧米トップ大学に比べて学費と生活費が安い

👩‍🎓「アメリカの大学に行きたいけど、学費がすごく高いって聞くよね…。」

👨‍🏫「そうだね。例えばアメリカの有名私立大学だと、年間の授業料だけで700万~1,000万円(5万~8万ドル)を超えることも珍しくない。でも、日本の大学なら、国立大学で年間約60万円、私立大学でも150万~200万円程度に収まることが多いんだ。4年間で考えると、その差は非常に大きいよ。」

👩‍🎓「生活費も違うのかな?」

👨‍🏫「ええ。東京も物価は高いけれど、欧米の大都市に比べれば家賃や食費は抑えやすい。学費と生活費を合わせたトータルコストで考えると、日本の大学は非常に経済的な選択肢と言えるんだ。」

経済的な負担が少ないことは、学業に集中し、留学生活をより豊かにするための大きなアドバンテージになります。

2. 世界トップクラスに安全で文化的に豊かな日本で生活できる

日本は、世界的に見ても非常に治安の良い国として知られています。夜間に一人で歩けること、落とした財布が戻ってくることなど、海外では当たり前ではない安心感が日常にあります。また、高度に発達した公共交通機関や質の高い医療制度も、留学生にとっては心強い味方です。

さらに、伝統的な寺社仏閣から最先端のアニメ・ポップカルチャーまで、多様な文化が共存しているのも日本の魅力。学問だけでなく、文化的な体験を通じて人間的にも大きく成長できる環境が整っています。

3. バイリンガル環境でキャリアの選択肢が広がる

🧑‍💻「大学の授業は全部英語だけど、日本で暮らしていれば日本語も少しは話せるようになるかな?」

👩‍💼「その通り!多くの大学では留学生向けの日本語クラスも提供されているし、何より日常生活が最高の学びの場になるわ。卒業する頃には、英語での専門知識に加えて、日本語でのコミュニケーション能力も身についているはずよ。」

🧑‍💻「それって就職に有利になる?」

👩‍💼「もちろん。英語圏のビジネス文化と日本の文化の両方を理解できる人材は、グローバル企業や日本国内の外資系企業にとって非常に価値が高いの。日本での就職はもちろん、世界中のどこで働くにしても、その経験は大きな強みになるわ。」

4. グローバルと日本の両方のネットワークを築ける

英語学位プログラムには、世界数十カ国から学生が集まります。多様な文化背景を持つ学友や、国際的な経歴を持つ教授陣との交流を通じて、世界中に広がるグローバルな人脈を築くことができます。

同時に、あなたは日本の大学の正規学生です。日本人学生との交流や、日本の大学が持つ企業や研究機関とのコネクションも活用できます。この「グローバル」と「日本」の両方にまたがるハイブリッドな人的ネットワークは、あなたの将来のキャリアにおいて、かけがえのない財産となるでしょう。

【大学リスト】英語学位プログラムを設置している主要大学と学部

ここでは、SGU採択大学を中心に、特に人気と実績のある大学・学部をいくつかご紹介します。ここで挙げるのはあくまで一例です。興味を持った大学については、必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

国立大学の例

大学名 学部・プログラム例 特徴
京都大学 国際高等教育院(Kyoto iUP) 英語での教養教育と並行して日本語を学び、3年次からは日本語の専門科目も履修。真のバイリンガル人材育成を目指す。
東京大学 教養学部(PEAK) 日本のトップ大学における英語プログラムの象徴的存在。(※2026年9月入学の募集は停止。最新情報は要確認)
筑波大学 国際社会学類(TISS)、生命環境学群(TILES)など 複数の分野で英語プログラムを展開し、多様な学問的興味に応える。

私立大学の例

大学名 学部・プログラム例 特徴
早稲田大学 国際教養学部(SILS)、政治経済学部、基幹理工学部など 6学部で英語プログラムを展開。日本で最も国際化が進んだ大学の一つ。
慶應義塾大学 経済学部(PEARL)、総合政策・環境情報学部(GIGA) PEARLは経済学、GIGAは情報社会デザインに特化。それぞれに特色あるプログラムを提供。
上智大学 国際教養学部(FLA) 日本における英語リベラルアーツ教育の草分け。少人数教育で思考力を徹底的に鍛える。
国際基督教大学(ICU) 教養学部 創立以来、日英バイリンガル教育を実践。31のメジャーから専門分野を選択可能。

入試の全体像:出願資格と必要なスコア・書類

日本の英語学位プログラムの入試は、日本の高校生が受ける共通テストや個別試験とは全く異なります。基本は、提出された書類のみで合否が決まる「書類選考」です。

出願資格

まず、大前提として以下のいずれかを満たしている必要があります。

  • 12年間の学校教育課程を修了している、または修了見込みであること
  • 国際バカロレア(IB)、GCE Aレベル、アビトゥアなど、国際的に認められた大学入学資格を持っていること

主要な提出書類とスコア目安

大学・学部によって要件は異なりますが、一般的に以下の書類が求められます。

  • 英語能力証明(TOEFL iBT / IELTS Academic)

    多くの大学で必須です。目安: 難関大学を目指すなら TOEFL 100点以上、IELTS 7.0以上 が一つの目標になります。

  • 国際的な学力評価試験(SAT / ACT / IB Diplomaなど)

    学力を客観的に証明するために重要です。目安: トップレベルの大学では SAT 1400点以上、ACT 30点以上、IB 35点以上 が望ましいとされています。

  • 高校の成績証明書(Transcript)

    高校3年間(またはそれに準ずる期間)の学業成績(GPA)は非常に重視されます。日々の学習の積み重ねが評価される、最も重要な書類の一つです。

  • 志望理由書(Essay / Personal Statement)

    「なぜこの大学で学びたいのか」「入学して何を成し遂げたいのか」を、あなた自身の言葉で説得力をもって伝える書類です。学力だけでは測れない、あなたの個性や情熱を示すチャンスです。

  • 推薦状(Recommendation Letter)

    高校の先生など、あなたのことをよく知る人物に書いてもらう必要があります。あなたの学業への姿勢や人柄を第三者の視点から証明してもらう重要な書類です。

【最重要注意点】

ここで示したスコアはあくまで一般的な目安です。提出要件や必要スコアは大学・学部によって大きく異なります。 必ず、志望する大学の最新の募集要項(Application Guideline / Admission Guideline)を隅々まで読み込み、正確な情報を確認してください。

出願から合格までのロードマップ【秋入学(9月)の場合】

海外の高校の卒業時期に合わせた秋入学(9月入学)を例に、合格までのタイムラインを見ていきましょう。計画的な準備が成功の鍵です。

ステップ1:情報収集と大学選定(高校2年生の夏~秋)

  • 何を: 興味のある分野や大学についてリサーチを始めます。大学のウェブサイトやパンフレットを読み込み、オンライン説明会などに参加しましょう。
  • なぜ: 自分に合ったプログラムを見つけ、必要な出願書類やスコアを早期に把握するためです。
  • どうやって: 各大学のウェブサイトの「Admissions」や「For Prospective Students」のページを中心に情報を集め、5~10校程度の候補リストを作成します。

ステップ2:英語資格・統一試験の受験(高校2年生の秋~高校3年生の冬)

  • 何を: TOEFL/IELTSやSAT/ACTの勉強を本格化させ、複数回受験します。
  • なぜ: 目標スコアを達成するには時間がかかります。早めに準備を始め、ベストスコアを出願に使えるようにするためです。
  • どうやって: 公式問題集や対策コースを活用し、計画的に学習を進めます。特にSAT/ACTは年に数回しか実施されないため、受験スケジュールを早めに立てることが重要です。

ステップ3:出願書類の作成と提出(高校3年生の冬~春)

  • 何を: 志望理由書を書き始め、先生に推薦状を依頼します。各大学の出願期間(多くは12月~2月頃)に合わせて、オンラインで出願し、必要な書類を郵送します。
  • なぜ: 質の高い書類を作成するには、推敲を重ねる時間が必要です。先生への依頼も余裕を持って行いましょう。
  • どうやって: まずは自己分析から始め、自分の強みや学びたいことを明確にします。志望理由書は何度も書き直し、学校のカウンセラーや先生にフィードバックをもらいましょう。

【多くの方が見落としがちなポイント】

推薦状の依頼は、ただ「お願いします」と伝えるだけでは不十分です。先生も多忙な上、あなたのことを深く理解して書いてもらうには時間と情報が必要です。自分の成績、活動歴、志望理由、将来の夢などをまとめた資料(自己アピールシートのようなもの)を準備して先生にお渡ししましょう。 そうすることで、より具体的で説得力のある推薦状を書いてもらいやすくなります。

ステップ4:面接(高校3年生の春)

  • 何を: 書類選考を通過した場合、オンライン(Zoomなど)での面接が行われます。
  • なぜ: 書類だけではわからない人柄やコミュニケーション能力、学問への熱意を評価するためです。
  • どうやって: 想定される質問への回答を準備し、学校の先生などと模擬面接を練習しておくと安心です。

ステップ5:合格発表と入学手続き(高校3年生の春~夏)

  • 何を: 合格通知を受け取ったら、指定された期日までに学費の納付や入学手続きを行います。
  • なぜ: 手続きを怠ると入学資格が取り消されてしまうため、期限厳守が絶対です。
  • どうやって: 日本国外に住んでいる場合は、学生ビザの申請や渡航準備も並行して進めます。大学からの案内に注意深く従いましょう。

気になる費用:学費と活用できる奨学金制度

日本の大学の魅力の一つは、その経済性です。具体的な費用と、負担を軽減するための奨学金について見ていきましょう。

年間学費の目安

  • 国立大学: 約54万円(+入学金約28万円)
  • 私立大学: 約120万~180万円(+入学金約20万~30万円)

    ※あくまで一般的な目安です。医歯薬系や理工系学部は高くなる傾向があります。

利用できる奨学金の種類

経済的な負担を軽減するために、様々な奨学金制度が用意されています。諦める前に、ぜひ調べてみてください。

  1. 日本政府(MEXT)奨学金: 文部科学省が提供する奨学金で、授業料免除や生活費の支給など非常に手厚いですが、その分、競争率は非常に高いです。
  2. 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金: 留学生を対象とした給付型(返済不要)の奨学金などがあります。大学を通じて応募するケースが多いです。
  3. 大学独自の奨学金: 多くの大学が、優秀な留学生を獲得するために独自の奨学金や授業料減免制度を設けています。入学前に応募できるものと、入学後に応募できるものがあります。
  4. 民間財団・地方自治体の奨学金: 企業や財団などが提供する奨学金も数多くあります。

奨学金はまさに「情報戦」です。できるだけ早い段階からJASSOの公式サイト「Japan Study Support」などで情報を集め始めましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. 日本の高校に通っていても出願できますか?

はい、可能です。 出願資格(12年間の教育課程修了)を満たしていれば、国籍や通っている学校の所在地は問われません。ただし、TOEFL/IELTSやSATといったスコアの提出は必要になり、英語で教育を受けてきた海外生やインターナショナルスクールの生徒と同じ基準で評価されることになります。しっかりとした準備が必要です。

Q2. 日本語能力は全く必要ありませんか?

プログラムによります。上智大学FLAや慶應義塾大学GIGAのように、卒業まで日本語が全く不要なプログラムも多数あります。 一方で、京都大学iUPのように、入学後に日本語を徹底的に学び、専門科目を日本語で履修することを目指すプログラムもあります。日常生活を送る上では、基本的な日本語ができた方が便利で、日本での生活をより楽しむことができるでしょう。

Q3. 帰国子女入試との違いは何ですか?

これはよく混同されがちですが、全く異なる概念です。
・帰国子女入試: 「海外での教育経験」というバックグラウンドを持つ学生を対象とした特別な入試区分です。合格後は、多くの場合、日本人学生と同じ日本語の授業を受けます。
・英語学位プログラム: 学生のバックグラウンドは問わず、「英語で学位を取得する」コースそのものを指します。入試も選考過程も、すべて英語で行われます。

Q4. 海外の大学と併願する際の注意点は? 難しい場合はどうすればいいですか?

併願は可能ですが、スケジュール管理が非常に重要です。特に注意すべきは入学金納付のタイミングです。
一般的に、日本の大学はアメリカやイギリスの大学よりも合格発表が早く、入学意思を示すための入学金(返金不可)の納付期限も早く設定されています。そのため、「欧米の大学の結果を待っていたら、日本の大学の入学金納付期限が過ぎてしまった」という事態が起こり得ます。

対策としては、あらかじめ優先順位を決めておくことです。 もし日本の大学を「滑り止め」として確保しておきたいのであれば、欧米の大学の結果を待たずに入学金を支払う必要があるかもしれません。この「捨て金」になるリスクを許容できるか、家族とよく話し合い、資金計画を立てておくことが不可欠です。

実践のためのヒントとコツ

  1. 志望理由書は「なぜ、この大学・学部でなければならないのか」を突き詰める

    ありがちなのが、どの大学にも出せるような汎用的な志望理由書を書いてしまうことです。そうではなく、その大学のアドミッション・ポリシー(どんな学生を求めているか)やカリキュラムを徹底的に読み込み、「この大学の〇〇教授の研究に興味がある」「〇〇という授業で△△を学びたい」といった具体的な言葉で、あなたとその大学とのマッチング度の高さをアピールしましょう。

  2. 高校の成績(GPA)を最後まで維持し続ける

    書類選考では、一発勝負の試験の点数よりも、高校時代の継続的な努力の証であるGPAが非常に重視されます。「もうすぐ卒業だから」と気を抜かず、最後の最後まで良い成績を維持することが、合格への近道です。

  3. 【意外な盲点】大学のオンライン説明会やイベントに積極的に顔を出す

    今は多くの大学が、世界中の受験生向けにオンラインでの説明会やオープンキャンパス、在学生との交流会などを開催しています。これらに参加するメリットは3つあります。

    • ウェブサイトには載っていないリアルな情報を得られる。
    • 質問をすることで、入試担当者にあなたの熱意を伝え、顔と名前を覚えてもらえる可能性がある。
    • 志望理由書に「説明会に参加して〇〇という点に強く惹かれた」といった具体的なエピソードを書くことができ、説得力が増す。

まとめと次のステップ

日本の大学の英語学位プログラム(旧G30・SGU)は、質の高い教育を、欧米に比べて経済的な負担を抑えながら受けられる、非常に魅力的な選択肢です。世界トップレベルの安全な環境で、グローバルと日本の両方のネットワークを築きながら、あなたの未来の可能性を大きく広げることができます。

この挑戦を成功させるための鍵は、高校の早い段階からの徹底した情報収集と、スコアメイクや書類作成といった計画的な準備に尽きます。

この記事を読んで、少しでも「挑戦してみたい」と感じたなら、あなたの未来はもう動き出しています。

さあ、次のステップとして、まずはこの記事で気になった大学のウェブサイトを訪れ、最新の募集要項(Application Guideline)を確認してみましょう。あなたの素晴らしい挑戦を、心から応援しています。


免責事項:本記事に掲載されている情報は2024年時点の調査に基づいています。入試制度や学費、プログラム内容等は変更される可能性がありますので、必ず各大学の公式ウェブサイトで最新かつ正確な情報をご確認ください。

※記事内の画像は AI(Genspark)で生成しています

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